こんにちは、Yoshida Education Labの吉田です!
前回の投稿記事(Language & Literatureの評価基準)に続いて、今回は、IB Japanese A Literatureの評価基準について解説していきたいと思います!
LiteratureとLanguage & Literatureとでは対象となるテクストタイプが異なるため、抑えたいポイントも異なります。Language & LiteratureのPaper1では、広告、SNS投稿、ブログ、漫画、雑誌記事、スピーチなど多様な非文学作品を扱うのに対し、
LiteratureのPaper1では、詩、小説、随筆、戯曲などの文学作品を扱います。
多くの受験者はPaper1で、
「結局、何を書けば“分析”になるのか分からない」
という壁にぶつかります。
・内容は理解できているつもりなのに、「説明的」と言われる・・・
・比喩や象徴を見つけても、それをどう論じればいいか分からない・・・
特に評価規準 Bで点数が伸び悩む人はかなり多いです。
LiteratureのPaper1が難しいのは、単に「意味を読む試験」ではないからです。
この課題が見ているのは、
「g言語的・文学表現がどのように意味を生み出しているか」
を考察できているかどうかです。
例えば、雨の描写ひとつを取っても、孤独や不安を象徴しているのか、あるいは他の意味があるのか、捉え方によって読みは変わります。また、短い会話、沈黙、反復される言葉なども、人物関係や主題を形成する重要な表現として機能しています。
つまりLiteratureのPaper1では、
「何が書かれているか」
だけでなく、
「なぜそのように書かれているのか」
まで考える必要があるのです。
この記事では、IB Japanese A LiteratureのPaper1評価基準について、
実際の答案で何が求められているのかを分かりやすく解説していきます。
Language & Literature編はこちらをクリック↓
目次
- IB Japanese A Literature – 試験概要
- Literature – 評価規準 A|理解と解釈
- Literature -評価規準 B|分析と評価
- Literature -評価規準 C|焦点と構成
- Literature -評価規準 D|言語
- ★Yoshida Education Labからのお知らせ★
IB Japanese A Literature - 試験概要
IB Japanese A Literature(文学)の最終試験Paper 1は、
初めて読む文学作品の分析的な小論文を書く記述試験になります。
まずは、試験の全体像をしっかりと頭に入れておきましょう!
■試験時間と配点
レベル | 試験時間 | 問題数と解答の進め方 | 配点比率 |
|---|---|---|---|
SL(標準レベル) | 75分 | 提示された2つの文学作品から1つを選んで分析小論文を執筆します。 | 35% |
HL(上級レベル) | 135分 | 提示された2つの文学作品の両方について、それぞれ独立した分析小論文を2本執筆します。 | 35% |
■出題されるテキストタイプ
初見の文学作品から抜粋されたテキストが出題されます。具体的には、以下のようなジャンルから2つの異なるタイプの作品が提示されます。
詩(全文、または長編詩の一部)
小説
随筆
戯曲
■Paper 1 sample
English A Literatureの試験が公開されていますので、参考までに添付します。
日本の一般的な国語入試とは異なり、IBDPのPaper 1には「何をどう書けば加点されるか」がルーブリックとしてすべて明文化されています。つまり、採点者の主観に怯える必要はなく、規準に沿った正しいロードマップさえ描ければ着実に高得点を狙えるのがこの試験の強みです。
それでは、具体的にどのような記述がスコアに直結するのか、4つの評価規準(A〜D)を紐解いていきましょう。
2. Literature - 評価規準 A|理解と解釈
評価規準Aでは、「初見の文学作品の抜粋部分をどれだけ正確に理解し、解釈できているか」が評価されます。
LiteratureのPaper1では、小説や戯曲の冒頭部分が出題されることもあれば、一つの詩全文が提示されることもあります。そのため、まず大切なのは、
「この抜粋部分は何を読者に伝えようとしているのか」
をできるだけ正確に読み取ることです。
例えば、登場人物の孤独を描いているのか、家族関係の緊張を描いているのか、あるいは社会への違和感を示しているのかによって、その後の分析の方向性は大きく変わります。
また、文学作品では感情や主題が直接書かれているとは限りません。情景描写、会話、沈黙、比喩、象徴などを通して暗示されることが多いため、
「この描写は何を意味しているのか」
まで読み取る必要があります。
高得点答案ほど、単なるあらすじ説明ではなく、
抜粋部分の中心となる内容やメッセージを的確に捉えています。
3. Literature - 評価規準 B|分析と評価
基準規準Bでは、評価規準 Aで読み取った中心となる内容やテーマを伝えるために、
「どのような表現の工夫が使われているのかを分析・評価する力」が求められます。
ここで重要なのは、
「技法を挙げること」自体ではない
ということです。この規準が見ているのは、その表現がどのような効果を生み出し、作品の内容にどう寄与しているのかです。
例えば、
「比喩が使われている」だけでは分析になりません。
重要なのは、
「なぜその比喩が使われているのか」
「読者にどんな印象を与えるのか」
まで踏み込むことです。
また、Paper1では多くの場合、「考察を促す問い」が与えられます。
この問いは、作品の中心的内容やテーマと関係していることが多いため、
「問いに焦点化して分析を進める」
のは非常に有効です。
例えば、「孤独の描かれ方」という問いがあれば、情景描写や会話表現、沈黙などがどのように孤独を形成しているのかを分析できます。ただし、問いに答えることだけに意識が向きすぎると、単なる内容説明になりやすい。
そのため重要なのは、
「表現 → 効果 → 主題」
という流れを意識することです。
高評価答案ほど、表現の工夫が作品全体のテーマや人物像にどうつながっているのかを具体的に論じています。
4. Literature - 評価規準 C|焦点と構成
評価規準 Cでは、「小論文全体で一貫した焦点を保ちながら、論理的に構成できているか」が評価されます。
Paper1では、分析したいことが増えてしまい、話題が広がりすぎる人がみられます。しかし、焦点が定まっていない答案は、読み手から見ると何を主張したいのか分かりにくくなってしまいます。
そのため大切なのは、
「自分は何に焦点を置いて論じるのか」
を最初に決めることです。
例えば、考察を促す問いに焦点を置くなら、小論文全体を通してその問いへの分析を一貫して行う必要があります。あるいは、自分で焦点を設定する場合は、抜粋部分の中心となる内容やテーマに焦点化するのが比較的書きやすいでしょう。
重要なのは、段落ごとの分析がバラバラにならず、
「すべての分析が焦点化する内容(中心的主張など)につながっている」
状態を作ることです。
そのためには、書き始める前に「アウトラインを作ること」が非常に重要です。
どの段落でどの表現を扱うのか、各段落で何を論じたいのかを整理し、骨子を立てておくだけで、答案の論理性はかなり変わります。
高得点答案ほど、段落ごとの役割が明確で、分析の流れに一貫性があります。
5. Literature - 評価規準 D|言語
評価規準 Dでは、「日本語表現そのもの」が評価されます。
ただし、ここで求められているのは、「難しい言葉を使うこと」ではありません。
IBが見ているのは、
「分析内容をどれだけ明確かつ論理的に伝えられているか」
です。
例えば、「悲しい感じがする」「印象的である」といった曖昧な表現だけでは、分析として説得力が弱くなりやすい。それよりも、
「喪失感を伴う陰鬱な雰囲気を形成している」
「断定的な語り口によって父親の支配性が強調されている」
のように、何をどのように表現しているのかを具体的に書くことが重要です。
また、LiteratureのPaper1では、一文が長くなりすぎたり、主語と述語がずれたりして、論理が分かりにくくなる人も少なくありません。
そのため、「難しく書く」よりも、
「読み手が理解しやすい形で論理を伝える」
ことを意識した方が、結果的に評価されやすくなります。
評価規準 Dは単なる文法力ではなく、
「分析を説得力ある文章として成立させる力」
を見ている規準なのです。
★★★Yoshida Education Labからのお知らせ★★★
こんなお悩みありませんか?
“Paper1で「何を書けばいいのか」が分からない”
“分析しているつもりでも、「説明的」と言われてしまう”
“学校から十分なフィードバックがもらえない”
“自分の答案がIB基準でどのレベルなのか分からない“
“一人で勉強を進めるのが不安“
夏期休暇や最終試験が近づくにつれてDP生や保護者の皆様から上記のようなお悩みをいただくことが増えてきました。この度、皆様のお悩みをサポートするため、本年度より夏期集中講座を開講いたします。
第一弾は、
【IB Japanese A | 2026夏期講習】解釈を説得する術を身につけるPaper1対策講座
です!
■ 本講座では、
●評価規準の理解
●分析の視点
●アウトライン作成
●高評価答案の特徴
を、実践演習を通して体系的に学びます。
■ 日程
・各2時間×2日間、オンライン開催、*日本時間
【Language & Literatureコース】
7月25日(土) 10:00 – 12:00*
7月26日(日) 10:00 – 12:00*
【Literatureコース】
7月25日(土) 18:00 – 20:00*
7月26日(日) 18:00 – 20:00*
■ 講師は、現役IB Japanese教員の吉田が講師を務めます。
Yoshida Education Lab 吉田 洵
現役の国際バカロレアJapanese教員の吉田が、
IB JAPANESE の「Language and Literature (言語と文学) 」や「Literature (文学)」の幅広い学習ニーズを効果的にサポートします。
Yoshida Education Lab 吉田 洵
現役の国際バカロレアJapanese教員の吉田が、
IB JAPANESE の「Language and Literature (言語と文学) 」や「Literature (文学)」の幅広い学習ニーズを効果的にサポートします。
Paper1に苦手意識がある方、成績を伸ばすポイントを学びたい方は、是非夏期講習にご参加ください!一緒に、「分析の型」のエッセンスを学びましょう!
今回は「Paper1の評価基準」について解説しましたが、Paper1対策全体のロードマップや6・7点を安定して獲得するための総合的な戦略は、こちらの【IB Japanese】Paper1で6・7点を安定して取る実践対策総まとめにすべてまとめています。合わせて参考にしてください。
Paper 1・Paper2 対策
IB JAPANESE A
オリジナル問題集 発売中!
Paper1の非文学作品分析やPaper2の比較文学対策に特化し、非文学作品や文学作品の読み方概論と演習問題を収録!
Paper 1・Paper2 対策
IB JAPANESE A オリジナル問題集 発売中!
- IB JAPANESE A 言語と文学 必携問題集1 非文学作品攻略
- IB JAPANESE A 文学・言語と文学 必携問題集2 比較文学攻略
ご質問・ご相談は、お問い合わせフォームよりお気軽にお問合せください。
生徒一人ひとりに寄り添うプランを一緒に考えましょう。
ご質問・ご相談は、
お問い合わせフォームよりお気軽にお問合せください。
生徒一人ひとりに寄り添うプランを一緒に考えましょう。

